数千年間でイテリメン民族は魚の保存法をたくさん考えつきました。乾燥、冷凍、燻製、発行させたサーモン属は不思議なほどおいしくできます。 秘密は材料の高質です。イテリメン族の料理人の才能は魚の自然な味を失わずに強調することにあります。そのため、簡単な民族料理であるユコラは一番人気があるでしょう。ユコラを作るため、取りたての魚を解体して、外で吊り下げて、風などで乾燥させます。塩も、スパイスも一切要りません。必要なのは最高の魚と我慢だけです。乾燥過程を人工的に促進させてはいけません。来てほしくないお客、クマたちが寄らないように、イテリメン人は魚を干すために ユコリニックという特別な小屋を建てていました。
正しく作ったユコラは魚臭いもないし、折っても折れません。
でき上がったユコラを乳鉢で粉にして、イクラ、コケモモとガンコウランを少量で、ヒマラヤスギの実、ヤナギランや現地のハーブを一つまみ入れて、テクスチャーがヌテラのような健康にいいおいしいペーストが作れます。カムチャツカでは半島の先住民族のこのメインディッシュをトルク-シャと言います(「粉砕する」のロシア語から)。肝油又は溶かしたアザラシの脂肪をかけて食べる人もいて、リリウム・マルタゴンの球根を加えて食べる人もいます。
カムチャツカのベストトナカイヘルダーとされるチュクチ人とエヴェン人はトナカイ肉の作り方に優れています。胴体のそれぞれの部分、切れの本当の味を出させます。少し硬い肉が軟らかくてジューシーになるために、コケモモとスイカズラと一緒に調理します。また、セイヨウネズの実と枝は料理に特別な匂いをつけます。冷凍したトナカイ肉からストロガニナという料理を作ります。作り方は魚のストロガニナと同じです。
現地のベリーやハーブで料理の味を豊かにすることなら、コリャ―ク人が一番詳しいです。ほとんどのヨーロッパ人は、半島が恵まれているエキゾチックな野生植物の名さえ知らないでしょう。野生ネギをトナカイの血液で作るクィヴルィマパンというスープとグィヌィットグィンという魚の粉末に入れます。ラムソンは、ヴィルロートゥという発酵させた魚の頭の調味料として使われます。ウスゲオニシモツケの若い葉っぱと茎を乾燥イクラと混ぜて食べます。生のイクラを未熟のハイマツの実と一緒にテーブルに出します。熟成ヒマラヤスギの実で、サケ類の皮で作ったとろみのあるキッセリという飲み物の独特な味を強調します。コリャ―ク人の最も有名で特別な料理はクィルィキールというサラダで、煮込んだサーモンに熟成クラウドベリー、ガンコウラン、コケモモやヒマラヤスギの実を加えます。
ロシア人もカムチャツカに色々なものを持ってきました。半島で特に好まれてきた料理の一つはテリノエです。現在、この古くから知られている料理を現地の特徴を考慮に入れて改善された昔のレシピで作ります。サケ類のヒレと玉ねぎを細かく切って、卵と小麦粉と混ぜてから、乾燥したポルチーニとハーブを加えます。できたペーストで半月の形をしているカツレツを作って、中にポテトピュレを入れます。ポテトが中に入っていますから、サイドディッシュを作る必要がありません。
種類を問わずカムチャツカの魚からおいしいウハという魚のスープが作れます。
ウハは、一回食べたら好きになってしまう「王様のスープ」でしょう。現地の漁師は、ヨーロッパの人気レストランのシェフより料理が上手でしょう。世界一の材料が手に入られるからです。貴重な生の魚、きれいな水や生き生きとしている焚火の火などです。材料はマスノスケかベニザケを選ぶか、魚全体か油が多い腹部だけ使うか、ジャガイモを入れるかなどは、お好み次第です。どうしても成功するでしょう。一度食べたカムチャツカのウハの味はいつまでも魚のスープの見本となります。
美食の「鏡の国」
カムチャツカが実に料理の別世界であることを、民族料理をいくつか食べてみることだけで理解できます。
・コリャ―ク人は、ヴィルロートゥという発酵させた魚を特別な土の穴で発酵させます。アイスランド人も同じようにハカールというサメ肉の伝統的な料理を作ります。要注意!試食するためにかなりの勇気が必要で、また嗅覚が鈍いほうがいいです。
・カムチャツカの人は、いつまでも若さを維持するために、できるだけよくキリールカというサラダを食べなければならないと確信しています。このサラダを作るとき、生の魚を煮込んで、骨を抜いて、取りたてのガンコウランと混ぜます。ソースはアザラシの脂肪です。
・トナカイ肉のストロガニナのために、トナカイの胴体の後部を冷凍します。肉を細くて薄く切ります。水、酢、塩とコショウで作ったソースと出します。肉を一個一個手で取って、ソースにつけて食べます。
・カムチャツカではワラビの若芽をよく食べます。味はキノコの味に似ています。
・7月~9月は、野生植物の採取季節です。コケモモ、スイカズラ、クラウドベリー、ガンコウラン、ブルーベリーなどをつまみ食べたり、キノコを冬に備えて保存したりすることができます。
半島中で漂うもう一つユニークな香りは、発酵させたヤナギラン・ティーの匂いです。ヤナギランの葉っぱを手でつまんで、保存します。北方の夏は短いのに、葉っぱには健康にいい成分がいっぱい貯まってきます。